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症例
傍腫瘍性神経症候群の一種である多発筋炎を合併した再発子宮頸癌の1例
著者: 西野理一郎1 辻野太郎1 杉本誠1 森川哲1 武内享介1 佐藤悠2 門口倫子2 酒井太門2 由宇芳才2
所属機関: 1独立行政法人国立病院機構神戸医療センター産婦人科 2独立行政法人国立病院機構神戸医療センター内科
ページ範囲:P.525 - P.528
文献購入ページに移動症例は58歳,女性.2006年6月,55歳時に子宮頸癌IIb期にて近医より当科へ紹介された.シスプラチンを用いた同時化学放射線療法を施行した.2009年8月,squamous cell carcinoma antigen(以下SCC)が17.7 ng/mLと高値を示し,腹部CTにて傍大動脈リンパ節の腫大を認めたため子宮頸癌の再発と診断したが,発熱および近位筋の筋力低下を訴えるため,当院内科にて精査したところ,筋原性酵素(creatine phosphokinase : 以下CK)が15,079 IU/Lと著明高値で,大腿筋のMRI所見などから多発筋炎と診断された.ステロイドパルス療法を行い,CKが低下した時点でパクリタキセルとネダプラチンを併用した化学療法を施行した.6コース終了後にはCKは86 IU/Lまで低下し,筋力も自立歩行ができるまでに回復した.臨床経過とCKの推移より子宮頸癌の再発に伴う悪性腫瘍関連筋炎と診断した.皮膚筋炎と悪性腫瘍の合併はよく知られているが,多発筋炎を合併した子宮頸癌の報告例は非常に少なく,本症例は貴重な1症例と考える.
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