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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科67巻6号

2013年06月発行

文献概要

連載 FOCUS

骨盤臓器脱のマネジメント―最近の潮流

著者: 中田真木1

所属機関: 1三井記念病院産婦人科

ページ範囲:P.616 - P.621

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はじめに

 ウロギネコロジーは,女性によくある骨盤底関連の不具合を診療する専門領域で,主として産婦人科と泌尿器科が担当している.骨盤底の不具合は,泌尿器科や神経の疾患もさることながら,妊娠・出産を契機として,あるいは子宮筋腫などの内性器疾患により起こる.不具合を抱える女性は多く,生活の質が低下する.生命にはかかわらないものの,妊娠・出産や就労を断念し,暮らす世界が狭まる人も少なくない.

 少子高齢化時代の到来とともに,診療科を問わずウロギネコロジーの重要性は広く認識されている.一方で,アカデミックな立場においては,骨盤底医学はそれぞれの診療科の中核的な仕事とはやや趣を異にしている.おそらく,いま最大の課題は,女性骨盤底障害の抱える社会的ニーズと医学的位置づけの間のギャップを縮め,効率的な診療態勢を実現することであろう.本稿は性器脱(骨盤臓器脱,以下POP)診療のトレンドについて,一般産婦人科診療を踏まえて概説する.

参考文献

1) 産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2011.日本産科婦人科学会,2007年
2) Barber MD, Walters MD, Bump RC : Short forms of two condition-specific quality-of-life questionnaires for women with pelvic floor disorders(PFDI-20 and PFIQ-7). Am J Obstet Gynecol 193 : 103―113, 2005
3) 骨盤底の超音波検査(1)中田真木 日本産婦人科医会 2013年2月号,pp8―9
4) 佐藤浩一,可世木久幸,他 : 骨盤内臓器下垂・脱の保存療法 : 新型ペッサリーの開発.臨婦産58 : 804―807,2004
5) Sarma S, Ying T, Moore KH : Long-term vaginal ring pessary use : Discontinuation rates and adverse events. BJOG 116 : 1715―1721, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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