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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科67巻7号

2013年07月発行

文献概要

連載 Estrogen Series

子宮摘出に伴う両側卵巣切除2題

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.724 - P.725

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Q1. 卵巣切除術はその後の生存期間を短縮させるか?

 両側卵巣切除(BSO)と卵巣保存の場合を比較すると,どちらの場合に長期的な生存率が上昇するであろうか? この欄でも取り上げたParkerら1)は,Nurse's Health Studyに参加した30,117名のコホートを対象にこの問題を調べた.

 26年間の追跡期間に,良性疾患に伴う子宮摘出時に,同時に両側卵巣摘出をした女性のうち,死亡者は16.8%,卵巣保存をした女性の死亡者は13.3%であった.卵巣切除群では卵巣癌による死亡者は低下していた.すなわち,卵巣癌死亡者は卵巣切除群では4名であるのに対し,卵巣保存群では44名であった.もともと卵巣切除の目的は主に卵巣癌の予防にあるので,これは目的を達していることになる.また,手術時の年齢が47.5歳未満では,乳癌による死亡も卵巣切除者でより低率であった.

参考文献

1) Parker WH, et al : Long-Term Mortality Associated with Oophorectomy Comparede With Ovarian Conservation in the Nurxes Health Study. Obstetrics and Gynecology 121 : 709─716, 2013
2) Perera HK, et al : Variation in Ovarian Conservation in Women Undergoing Hysterectomy for Benign Indications. Obstetrics and Gynecology 121 : 717─726, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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