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原著
子宮性不妊女性に対する妊孕性再建を目指した子宮移植手術
著者: 木須伊織1 三原誠2 阪埜浩司1 原尚子2 荒木淳2 飯田拓也2 菅沼信彦3 青木大輔1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室 2東京大学医学部形成外科・美容外科 3京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
ページ範囲:P.745 - P.751
文献購入ページに移動近年,先天的もしくは後天的に子宮を失った子宮性不妊女性が自らの子宮で挙児を得るための1つの選択肢として,子宮移植が考えられている.ヒトでの子宮移植は2000年に初めてサウジアラビアで生体間において行われ,術後99日目に移植子宮が壊死し失敗に終わったものの,この報告を機に動物実験が急速に進められてきた.最近はスウェーデンで母娘間の生体間子宮移植が行われ,トルコでは脳死ドナーからの子宮移植後の妊娠も報告されており,子宮移植は現在,世界的に臨床応用の導入期を迎えようとしている.われわれにおいても,カニクイザルにおける子宮自家移植後の出産を経験し,子宮移植手技の確立は可能であると考えている.しかしながら,子宮移植には他の生殖医療技術同様に,多くの医学的,倫理的,社会的問題が内包されており,その臨床応用には十分に議論される必要がある.本稿では,カニクイザルにおける子宮自家移植の手術手技について紹介する.
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