文献詳細
今月の臨床 婦人科がんの予防戦略と早期診断
子宮頸がん
2.HPV DNA検査・細胞診併用検診による子宮頸がん検診―高精度・効率化・若年受診率向上により浸潤がん激減
著者: 岩成治1 森山政司1 小村明弘2
所属機関: 1島根県立中央病院産婦人科 2島根県産婦人科医会
ページ範囲:P.771 - P.779
文献概要
●効率化できる : 受診間隔を3~5年に延長可能,CIN3検出単価を46%削減可能,行政の検診助成費用を30%削減可能.
●浸潤がんが激減する : HPV併用検診の最終目的は浸潤がん征圧であるが,HPV併用検診6年目の出雲市からは浸潤がんがほぼ消え,併用検診4年目の島根県の浸潤がんは50%減少した.
●円錐切除後の予後判定に有用 : 円錐切除後のHPV検査の陰性化率は80%で,4年以上持続し,少なくとも3年以内のCIN再発はない.
●適正年齢は25~65歳 : 理由(1)CIN3は24歳以下では極少数で,25歳から急増.(2)25~29歳と30歳台のHPV検査陽性率の差はわずか4%,細胞診異常率とCIN2/3の検出率はほぼ同じ.(3)HPV検査陽性率とCIN3罹患率の交差点は25歳.(4)65歳以上のCIN3はごく少数.
●ワクチン世代に対応可能 : HPVワクチン普及で細胞診異常は現在より70%も減少が予測されるため,HPV検査で絞り込んだ検診が必然となる.
参考文献
掲載誌情報