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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科67巻9号

2013年09月発行

今月の臨床 脳性麻痺─発症防止への挑戦

脳性麻痺の原因と動向

2.わが国の現状

著者: 石渡勇1

所属機関: 1石渡産婦人科病院

ページ範囲:P.891 - P.898

文献概要

●産科医療補償制度は,全分娩機関3,335施設の99.8%(3,328施設)が加入し,わが国の出生児の99.9%をカバーしている.

●脳性麻痺(cerebral palsy : CP)児で補償対象者は,出生体重2,000 g以上かつ在胎週数33週以上で,看護・介護の必要性が高い重症者(身体障害者等級の1級または2級)を一般審査の対象とする.在胎週数28週以上の児についても個別審査によって対象となることがある.

●2009年に出生した事例143件と2010年に出生した45件の合計188件について,CPの原因を検討した.単一の原因で起きたCP 106件,複数の原因で起きたCP 39件,原因が明らかでないまたは特定困難なCPが43件であった.単一の原因で起きたCPでは,常位胎盤早期剝離が45%,臍帯脱出とその他の臍帯因子が28%と両者で3/4を占めていた.

●常位胎盤早期剝離の83%が分娩前に主に自宅で発症しており,妊婦への予防のための啓発が求められる.

参考文献

1) Pharoah POD, et al : Arch Dis Child 75 : 169, 1996
2) Sugimoto T, Woo M, Nishida N, et al : When do brain abnormalities in cerebral palsy occur? An MRI study. Dev Med Child Neurol 37 : 285─292, 1995
3) 第3回産科医療補償制度再発防止に関する報告書.公益財団法人日本医療機能評価機構,2013年5月

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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