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症例
肥満患者に対して施行した単孔式腹腔鏡下手術の2症例
著者: 山本善光1 佐々本尚子1 三好ゆかり1 雨宮京夏1 足立和繁1
所属機関: 1箕面市立病院産婦人科
ページ範囲:P.171 - P.175
文献購入ページに移動肥満患者に対する,単孔式腹腔鏡下手術を2例経験した.症例1は53歳,BMIが43.6 kg/m2の高度肥満,高血圧症,糖尿病合併症例.下腹部の皮下脂肪が厚く,下腹部のトロッカー穿刺が困難と思われた.体重コントロール後,83 mmの左卵巣囊腫に対し,単孔式腹腔鏡下両側付属器摘出術が施行された.周術期合併症もなく術後7日目に退院となった.症例2は,59歳,BMIは31.6 kg/m2の肥満,高血圧症,脂質異常症合併症例.84 mmの右卵巣囊腫が指摘された.腹腔鏡手術の既往があり,臍下部に陥凹を認めた.傍臍ヘルニアの診断となり,傍臍ヘルニア根治術とヘルニア部分を利用した単孔式腹腔鏡下両側付属器摘出術が施行された.周術期合併症はなく,術後7日目に退院となっている.適切な術前評価,周術期管理を行えば肥満症例でも安全に単孔式腹腔鏡下手術は施行できると考えられた.
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