icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科68巻4号

2014年04月発行

増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド

婦人科編 II 内分泌・不妊

排卵障害

著者: 藤本晃久1

所属機関: 1三楽病院産婦人科

ページ範囲:P.69 - P.73

文献概要

疾患の概要

 正常な排卵周期を有する女性では,視床下部から律動的に分泌されるゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)が下垂体前葉に作用し,下垂体からゴナドトロピン〔卵胞刺激ホルモン(FSH)および黄体化ホルモン(LH)〕が放出される.FSH,LHは卵巣に存在するおのおのの受容体に結合し,卵胞発育─排卵─黄体形成─退縮─月経発来に至るまでの,月経周期の制御に関与している.また,卵巣中の卵胞細胞,黄体から分泌されるエストラジオールおよびプロゲステロンは,子宮内膜の増殖期変化・分泌期変化に関与するとともに,視床下部・下垂体の受容体に作用し,中枢性ホルモンの分泌を制御している.

 排卵障害は,このような視床下部─下垂体─卵巣系のいずれかが原因となって起こる,卵巣からの卵子の放出が起きない状態である.原因は大きく視床下部性,下垂体性,卵巣性に分類されるが,別項で述べられるプロラクチンも排卵周期調節に密に関与している.排卵障害はしばしば原発性・続発性無月経の症状をきたし,また機能性不正出血の多くも排卵障害が原因となりうる.

 本項では,こうした多岐にわたる排卵障害のうち,特に挙児希望を有する症例で,かつ別項で述べられる高プロラクチン血症,多囊胞性卵巣症候群を除いた症例に対する治療方針に限定して解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら