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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科68巻4号

2014年04月発行

増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド

婦人科編 III 更年期・老年期

冷え症

著者: 樋口毅1

所属機関: 1弘前大学大学院保健学研究科

ページ範囲:P.144 - P.145

文献概要

疾患の概要

 外気温が下がれば冷えを感じる.これは生理現象であり,厚着をする,暖をとるなどで解決可能である.このようなことをしても冷えを感じ,日常生活に不都合を生じる状態,これが病的な冷え,「冷え症,または冷え性」といわれるものである.“通常の人が苦痛を感じない温度下において,腰背部,四肢末端,両下肢,偏身,あるいは全身的に異常な冷感を自覚し,この異常を年余にわたって持ち続けるもの”と定義される.西洋医学では疾患単位として扱われず,個人の感覚とされるのが一般的である.本症が,白人には少なく,アジア民族に多いというのも関連しているのかもしれない.

 原因は,西洋医学的には手足の末端の毛細血管の血行障害,自律神経の調節障害と考えられる.冷え症と遺伝との関係もはっきりとしたものはないが,女性が冷え症の場合,その母親も約半数は冷え症であるという報告もあり,遺伝的要素は多少なりともあるかもしれない.女性全体の頻度としては30~50%で,男性の約3倍といわれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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