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増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド 婦人科編 III 更年期・老年期
甲状腺機能異常
著者: 小川真里子1 髙松潔1
所属機関: 1東京歯科大学市川総合病院産婦人科
ページ範囲:P.155 - P.158
文献購入ページに移動甲状腺機能異常は女性に多く,月経不順をきたしたり,甲状腺機能亢進症であれば頻脈やほてり,機能低下症であれば意欲の低下,冷え,倦怠感といった更年期障害に類似した症状を呈するため,婦人科疾患を疑って患者が外来受診することがしばしばみられる.当科の更年期外来を受診した317例の女性のうち,TSH,FT3,FT4のいずれかが基準値範囲外であったのは56例(17.7%)であり,そのうち6例(1.9%)に治療の必要な甲状腺疾患を認めた.
甲状腺疾患の診断に関するガイドラインとして,日本甲状腺学会による「甲状腺疾患診断ガイドライン2013」がホームページ上で閲覧可能となっている(http://www.japanthyroid.jp/doctor/guideline/japanese.html).Basedow病,甲状腺機能低下症,無痛性甲状腺炎,慢性甲状腺炎(橋本病),亜急性甲状腺炎(急性期)のそれぞれについて,診断基準が示されている.
ここでは,主として婦人科外来においても遭遇しやすい,Basedow病および橋本病の治療について述べる.
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