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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科68巻4号

2014年04月発行

増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド

婦人科編 IV 腫瘍

子宮体がんの術後アジュバント

著者: 中村加奈子1 阪埜浩司1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.183 - P.185

文献概要

適応と治療方針

 子宮体がんの術後療法は再発リスクの評価に基づき決定される.術後放射線療法についての系統的レビューによると,術後放射線療法は局所再発を減少させるとしたエビデンスがあり,欧米で広く用いられている一方で,本邦では化学療法が術後療法として広く用いられている経緯がある.術後療法として化学療法と放射線療法を比較した臨床試験にはJGOG2033のランダム化比較試験がある.この試験では,術後再発中~高リスク症例に対して,化学療法群と骨盤外照射群の間に全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の有意な差がなかったが,中リスクのなかでlow-intermediateリスク群・high-intermediateリスク群に分けたサブセット解析ではhigh-intermediateリスク群においてのみ化学療法群のほうが骨盤外照射群よりOSとPFSが有意に良好であることが示された.現在では,欧米でも術後療法としての化学療法の成績が多く報告されるようになっており,さらなるエビデンス構築が期待される.

 本邦の2009年子宮体がんガイドラインでは,「高リスク群では残存腫瘍2 cm未満の症例に対して,術後補助化学療法が奨められる(グレードB)」「中リスク群に対する術後補助化学療法は,予後を改善する可能性がある(グレードC1)」「低リスク群に対する術後補助化学療法は奨められない(グレードD)」とリスク分類によって術後化学療法の推奨度を分けている.本稿では本邦で主に用いられる化学療法のレジメンについて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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