文献詳細
増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編 IV 腫瘍
文献概要
治療方針 薬物療法の概要と狙い
がん患者の増加と近年の医学の進歩に伴う治療成績の向上により,いわゆるがんサバイバーは増加している.また,患者のQOLの維持・向上を視野に入れた治療の必要性が強調されるようになり,治療時の合併症や治療後に残存する不快な諸症状に対しての対応が不可避となっている.しかし,これらの諸症状に対して,西洋薬による対応には限界があることはよく知られているところであり,いわゆる統合医療として,西洋医学的治療法以外の治療が試みられている.なかでも漢方療法は従来から産婦人科領域で頻用されてきたこともあり,残念ながら直接的な抗がん作用を持つ方剤はないものの,その安全性や西洋薬と併用可能であることも考慮して,さまざまな状況で利用されている.
本来,漢方療法は「証」に従って方剤が選択される「随証療法」をすべきものとされているが,「証」の考え方が西洋医学とはやや離れた概念であること,また,よく漢方療法は「中国四千年の歴史にもとづく」といわれるが,「癌」という漢字自体が近世の作といわれており,漢方療法が発祥した頃にはその概念がなかったと考えられることから,「症状」から選択する「随症療法」を行ったエビデンスにもとづき施行されている.
なお,漢方療法のエビデンスについては,日本東洋医学会の「漢方治療エビデンスレポート2010─345のRCT(EKAT2010)」にもまとめられているので,参照いただきたい.
がん患者の増加と近年の医学の進歩に伴う治療成績の向上により,いわゆるがんサバイバーは増加している.また,患者のQOLの維持・向上を視野に入れた治療の必要性が強調されるようになり,治療時の合併症や治療後に残存する不快な諸症状に対しての対応が不可避となっている.しかし,これらの諸症状に対して,西洋薬による対応には限界があることはよく知られているところであり,いわゆる統合医療として,西洋医学的治療法以外の治療が試みられている.なかでも漢方療法は従来から産婦人科領域で頻用されてきたこともあり,残念ながら直接的な抗がん作用を持つ方剤はないものの,その安全性や西洋薬と併用可能であることも考慮して,さまざまな状況で利用されている.
本来,漢方療法は「証」に従って方剤が選択される「随証療法」をすべきものとされているが,「証」の考え方が西洋医学とはやや離れた概念であること,また,よく漢方療法は「中国四千年の歴史にもとづく」といわれるが,「癌」という漢字自体が近世の作といわれており,漢方療法が発祥した頃にはその概念がなかったと考えられることから,「症状」から選択する「随症療法」を行ったエビデンスにもとづき施行されている.
なお,漢方療法のエビデンスについては,日本東洋医学会の「漢方治療エビデンスレポート2010─345のRCT(EKAT2010)」にもまとめられているので,参照いただきたい.
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