icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科68巻4号

2014年04月発行

文献概要

増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド 産科編 VI 異常妊娠

妊娠悪阻

著者: 松原茂樹1

所属機関: 1自治医科大学産科婦人科学講座

ページ範囲:P.248 - P.250

文献購入ページに移動
疾患の概要

 妊娠悪阻(hyperemesis gravidarum)はつわり(nausea and vomiting of pregnancy)の重症型である.妊婦のおおよそ80%程度がつわりを経験する.どこまでがつわりで,どこからが妊娠悪阻なのかの明確な基準はないが,海外でも本邦でも,以下を示す場合には妊娠悪阻と診断されることが多い.すなわち,毎日嘔吐し,尿中ケトン体陽性で,持続的に体重が減少する場合,ことに5%以上体重減少する場合.

 通常,妊娠4~9週に発症し,12~15週に最も重症になり,20週までには改善する.20週になっても症状が改善しない場合には,「つわり様症状を示す」他疾患の存在を検索する必要がある.ただし,稀には「つわりが妊娠末期まで続く」例もある.

 hCG高値や消化器疾患の併存,Helicobacter pyloriの存在などが悪阻の要因・誘因・risk factorだと認識されているが,悪阻がなぜ起こるかは解明されていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?