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文献概要
増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド 産科編 VI 異常妊娠
早産/切迫早産/前期破水
著者: 小谷友美1
所属機関: 1名古屋大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.259 - P.263
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上行性に子宮内へと感染・炎症が波及することによって,子宮収縮や卵膜の脆弱化が惹起される結果,早産や前期破水に至ると考えられている.早産や破水に至る前段階が切迫早産と考えられるが,臨床的には10分間に1回以上の子宮収縮がある場合や性器出血などの症状がある場合に,さらに,内診所見で子宮頸管開大および展退を認めたときに診断される.しかし,近年は経腟超音波検査が普及し,自覚症状がなくても子宮頸管長の短縮で診断されるケースも多くなってきた.妊婦健診で妊娠18~24週頃に経腟超音波検査で頸管長が4 cm未満と診断された場合には,経過観察も含めた予防策をとることが勧められる.また,円錐切除術や早産の既往歴のある症例や多胎症例も慎重な経過観察が望ましい.最近では広汎子宮頸部摘出術後の妊娠成立症例もあり,より慎重な対応が必要である.そのほか,喫煙や痩せすぎも早産のリスクが高くなるので,生活習慣などにも目を向けて問診するとよい.
上行性に子宮内へと感染・炎症が波及することによって,子宮収縮や卵膜の脆弱化が惹起される結果,早産や前期破水に至ると考えられている.早産や破水に至る前段階が切迫早産と考えられるが,臨床的には10分間に1回以上の子宮収縮がある場合や性器出血などの症状がある場合に,さらに,内診所見で子宮頸管開大および展退を認めたときに診断される.しかし,近年は経腟超音波検査が普及し,自覚症状がなくても子宮頸管長の短縮で診断されるケースも多くなってきた.妊婦健診で妊娠18~24週頃に経腟超音波検査で頸管長が4 cm未満と診断された場合には,経過観察も含めた予防策をとることが勧められる.また,円錐切除術や早産の既往歴のある症例や多胎症例も慎重な経過観察が望ましい.最近では広汎子宮頸部摘出術後の妊娠成立症例もあり,より慎重な対応が必要である.そのほか,喫煙や痩せすぎも早産のリスクが高くなるので,生活習慣などにも目を向けて問診するとよい.
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