文献詳細
増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
産科編 VII 偶発合併症妊娠
血栓傾向/抗リン脂質抗体症候群
著者: 杉浦真弓1 尾崎康彦1 片野衣江1 北折珠央1
所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科産科婦人科学
ページ範囲:P.277 - P.279
文献概要
習慣流産,子宮内胎児死亡,早発型妊娠高血圧症候群や胎盤機能不全による34週未満の早産の既往があり,ループスアンチコアグラント(希釈ラッセル蛇毒時間法とリン脂質中和法),(β2glycoprotein I依存性)抗カルジオリピン抗体が健常人の99パーセンタイルを基準値として12週間以上陽性が持続する場合に,抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid antibody syndrome : APS)と診断する.2回の流産,子宮内胎児発育遅延,羊水過少,血小板減少症,SLEも測定を考慮する.
APSと診断したら,次回妊娠初期から低用量アスピリンと未分画ヘパリンを予防投与する.
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