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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科68巻4号

2014年04月発行

増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド

産科編 VII 偶発合併症妊娠

HIV

著者: 谷口晴記1 千田時弘2 塚原優己3

所属機関: 1三重県立総合医療センター産婦人科 2紀南病院産婦人科 3国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター産科

ページ範囲:P.296 - P.299

文献概要

疾患の概要

 当初,HIV母子感染は,治療しなければ約40%に成立し,約5%は子宮内感染,約15%は分娩時感染で,その約半分は産道感染,そして出生後母乳を介しての感染は約20%と考えられていた.1990年代初め,ジドブジン(別名 : アジドチミジン,商品名 : レトロビル®)の内服が,ほかの方法と組み合わせることにより,母子感染率を下げることが判明した.現在では,HIV感染妊婦に対してジドブジン単剤療法ではなく,多剤併用療法(combination antiretroviral therapy : cART)が施行されている.

 本邦における現時点でのHIV母子感染予防対策は,(1)妊娠初期のHIV検査実施による感染診断,(2)妊娠中の抗HIV療法,(3)陣痛発来前の選択的帝王切開術,(4)帝王切開時のジドブジン点滴投与,(5)出生児へのジドブジンシロップ予防投与,(6)出生児への人工乳哺育である.これらの組み合わせで,HIV母子感染率は,1%以下に抑えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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