文献詳細
増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
産科編 VII 偶発合併症妊娠
気管支喘息
著者: 草西多香子12 坂井昌人12
所属機関: 1東京女子医科大学八千代医療センター母体胎児科 2東京女子医科大学八千代医療センター婦人科
ページ範囲:P.303 - P.306
文献概要
喘息は頻度の高い妊娠合併症であり,全妊婦の3.7~8.4%に合併する.妊娠中の喘息発作は,報告によれば17.1%といわれている.喘息合併妊婦では非合併妊婦に比べて,周産期死亡率,早産,妊娠高血圧症候群,低出生体重児が15~20%増加し,コントロール不良例ではその頻度はさらに増加する.
妊娠中の喘息は,増悪例,軽快例,不変例がほぼ同頻度である.妊娠前の重症度と妊娠中の重症度は相関している.妊娠中の喘息のコントロールが不良であると,低酸素症などのため胎児にリスクが高まるが,コントロールが良ければ非喘息患者との差はほぼないとする報告も多い.
分娩後は1年以内に悪化する例がかなり多い.
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