文献詳細
文献概要
増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド 産科編 IX 分娩処置・異常分娩
弛緩出血
著者: 板倉敦夫1
所属機関: 1順天堂大学産科婦人科
ページ範囲:P.330 - P.332
文献購入ページに移動疾患の概要
分娩第3期または胎盤娩出直後に,子宮筋の収縮不全に起因して起こる異常出血をいう.胎盤剝離後の脱落膜には,子宮─胎盤血流の血管の断端が開口しており,子宮筋の収縮により,外部から血管を圧迫して血流を遮断する機序は,止血に最も重要である.子宮─胎盤血流は胎児を保育するために分娩時には増量しており,この機序が機能しないと,剝離面からの出血は制御できず危機的出血に陥る.弛緩出血は産後の過多出血の原因として最も頻度が高い.弛緩出血は胎盤娩出後の子宮筋収縮不全に伴う子宮出血であり,血管平滑筋の収縮不全あるいは凝固因子不足による出血に対する処方は別項に委ねる.
分娩第3期または胎盤娩出直後に,子宮筋の収縮不全に起因して起こる異常出血をいう.胎盤剝離後の脱落膜には,子宮─胎盤血流の血管の断端が開口しており,子宮筋の収縮により,外部から血管を圧迫して血流を遮断する機序は,止血に最も重要である.子宮─胎盤血流は胎児を保育するために分娩時には増量しており,この機序が機能しないと,剝離面からの出血は制御できず危機的出血に陥る.弛緩出血は産後の過多出血の原因として最も頻度が高い.弛緩出血は胎盤娩出後の子宮筋収縮不全に伴う子宮出血であり,血管平滑筋の収縮不全あるいは凝固因子不足による出血に対する処方は別項に委ねる.
掲載誌情報