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文献概要
増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド 産科編 X 産褥期処置・異常産褥
マタニティ・ブルーズ/産後うつ病
著者: 岡垣竜吾1 新澤麗1
所属機関: 1埼玉医科大学産婦人科
ページ範囲:P.354 - P.356
文献購入ページに移動マタニティ・ブルーズは,分娩直後から数日以内に出現する涙もろさ,抑うつ気分,情動不安定などの気分と体調の変調である.緊張,不安,集中困難などの精神症状に加えて,食欲不振,不眠,頭痛などの身体症状を伴うこともある.急激な内分泌変化によって生じる正常な反応であり,自然に消失する.10~30%の褥婦にみられる.
産後うつ病は産後4~6週間から3か月以内に多く発症し,双極性障害に移行する場合もある.抑うつ気分,興味と喜びの喪失,易疲労感,活動性の減少のほか,食欲不振,不眠,頭痛,吐き気などの身体症状を示す.また,多弁や多動などの躁症状が出現する場合がある.精神疾患罹患歴やストレス,社会的支援の不足がリスク因子となるが,原因や予防法は不明である.
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