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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科68巻5号

2014年05月発行

文献概要

連載 FOCUS

いいお産―『科学的根拠に基づく快適で安全な妊娠出産のためのガイドライン 2013年版』を紹介する

著者: 杉本充弘1

所属機関: 1日本赤十字社医療センター周産母子・小児センター

ページ範囲:P.481 - P.489

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はじめに

 二十世紀の終わり頃から医療の潮流に世界的な変化がみられ,「患者の視点に立つ患者主体の医療」「より質の高い医療」「より安全な医療」の方向性が示された.わが国においても,インフォームド・コンセント(IC),エビデンスベイストメディスン(EBM),リスクマネジメント(RM)などの用語と概念が普及し,最近では日常の医療現場でよく耳にするようになっている.周産期医療においては,医療者主導の妊娠・分娩管理や新生児管理から,母子中心の妊娠・出産・育児を支援する産科・新生児医療へと,医療者の意識・姿勢は大きく移行しつつある.

 「いいお産」は安全の確保が前提であるが,母子中心の出産を支援する産科・新生児医療が求められる.そこで,「いいお産」の歴史的背景を概観したうえで,「いいお産」について考え,さらに,最近改訂された「いいお産」のガイドラインを紹介する.

参考文献

1) 戸田律子 訳 : WHOの59カ条 お産のケア 実践ガイド.農山漁村文化協会,1997
2) マースデン・ワーグナー 著,井上裕美・河合 蘭 監訳 : WHO勧告にみる周産期ケアとその根拠.メディカ出版,2002
3) 橋本武夫(主任研究者): 平成16年度~平成18年度厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究事業)総合研究報告書「妊娠・出産の快適性確保のための諸問題の研究」.pp3─75,2007
4) 杉本充弘(主任研究者): 財団法人こども未来財団平成21年度児童関連サービス調査研究等事業報告書「『いいお産の普及』推進に関する研究」.pp3─38,2010
5) 島田三恵子(主任研究者): 平成17年度~平成18年度厚生労働科学研究費補助金(子ども家庭総合研究事業)総合研究報告書「科学的根拠に基づく快適な妊娠・出産のためのガイドラインの開発に関する研究」.pp1─92,2007
6) http://minds.jcqhc.or.jp/n/pub/2/pub0056/G0000206/0001
7) 島田三恵子(分担研究者) : 平成23年度~平成24年度厚生労働科学研究費補助金(政策科学総合研究事業)平成24年度分担研究報告書「母親が望む安全で満足な妊娠出産に関する全国調査─科学的根拠に基づく快適で安全な妊娠出産のためのガイドラインの改訂─」.2013
8) 厚生労働科学研究妊娠出産ガイドライン研究班 編 : 科学的根拠に基づく快適で安全な妊娠出産のためのガイドライン2013年版.pp1─65,金原出版,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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