文献詳細
連載 FOCUS
腹腔鏡下仙骨腟固定術─骨盤臓器脱─戦国時代を生きる
著者: 市川雅男1 関根仁樹1 可世木華子1 小野修一1 峯克也1 明楽重夫1
所属機関: 1日本医科大学産婦人科
ページ範囲:P.137 - P.141
文献概要
現在の骨盤臓器脱治療の世界は,新旧含めて多種多様な術式が混沌として存在し,どの治療法が勝ち残るのかわからない戦国時代のようである.そして,このような急激な治療法の変化に伴い,かつて産婦人科医にとって身近な疾患であった骨盤臓器脱は,いまや遠い存在に変わりつつある.こうした現状は,現代骨盤臓器脱治療における大きな問題である.その解決手段として注目されているのが腹腔鏡下仙骨腟固定術(laparoscopic sacrocopopexy : LSC)である.今回,われわれが紹介するLSCは,従来の術式(ダブルメッシュLSC)よりも大幅に簡素化され,腹腔鏡の基本手技があれば誰でもできる簡単な術式となっている.したがって,この術式をマスターすることにより,多くの産婦人科医が再び骨盤臓器脱治療に取り組むことができる.それにより,現代骨盤臓器脱治療が大きく発展することが望まれる.
参考文献
掲載誌情報