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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科69巻1号

2015年01月発行

連載 FOCUS

腹腔鏡下仙骨腟固定術─骨盤臓器脱─戦国時代を生きる

著者: 市川雅男1 関根仁樹1 可世木華子1 小野修一1 峯克也1 明楽重夫1

所属機関: 1日本医科大学産婦人科

ページ範囲:P.137 - P.141

文献概要

はじめに

 現在の骨盤臓器脱治療の世界は,新旧含めて多種多様な術式が混沌として存在し,どの治療法が勝ち残るのかわからない戦国時代のようである.そして,このような急激な治療法の変化に伴い,かつて産婦人科医にとって身近な疾患であった骨盤臓器脱は,いまや遠い存在に変わりつつある.こうした現状は,現代骨盤臓器脱治療における大きな問題である.その解決手段として注目されているのが腹腔鏡下仙骨腟固定術(laparoscopic sacrocopopexy : LSC)である.今回,われわれが紹介するLSCは,従来の術式(ダブルメッシュLSC)よりも大幅に簡素化され,腹腔鏡の基本手技があれば誰でもできる簡単な術式となっている.したがって,この術式をマスターすることにより,多くの産婦人科医が再び骨盤臓器脱治療に取り組むことができる.それにより,現代骨盤臓器脱治療が大きく発展することが望まれる.

参考文献

1) Gadonneix P, et al : Laparoscopic sacrocolpopexywith two separate meshes along the anterior and posterior vaginal walls for multicompartment pelvic organ prolapse. J Am Assoc Gynecol Laparosc 11 : 29─35, 2004
2) 市川雅男,他 : 骨盤臓器脱に対するDouble meshesを用いた全腹腔鏡下仙骨腟固定術.日女性骨盤底医会誌7 : 89─92, 2010
3) 市川雅男,他 : ダブルメッシュ全腹腔鏡下仙骨腟固定術の理論と実際.産婦の実際60 : 1967─1974, 2011
4) Ichikawa M, et al : Novel hybrid laparoscopic sacrocolpopexy for pelvic organ prolapse with a severe paravaginal defect. J Obstet Gynaecol Res 39 : 603─607, 2013
5) van-Geelen JM, et al : Where to for pelvic organ prolapse treatment after the FDA pronouncements? Int Urogynecol J 24 : 707─718, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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