icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科69巻10号

2015年10月発行

文献概要

連載 FOCUS

どうなる,子宮頸がん予防ワクチン

著者: 上田豊1 関根正幸2 榎本隆之2

所属機関: 1大阪大学医学部産科学婦人科学教室 2新潟大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.986 - P.990

文献購入ページに移動
はじめに

 本邦においては,若年女性の子宮頸癌および前癌病変が急増するなか,子宮頸がん予防ワクチンの接種はいわゆる副反応報道と厚生労働省の積極的勧奨の一時差し控えにより全く普及しておらず,また子宮がん検診の受診率も著しく低い.本稿では,本邦における子宮頸がん予防ワクチンの現状と今後について記述する.本稿執筆時点では厚生労働省の子宮頸がん予防ワクチンの積極的勧奨は一時差し控えが継続されたままであるが,本稿で紹介する疫学的調査研究は厚生労働省が積極的勧奨を再開した後の子宮頸がん予防ワクチンの普及に資するものであり,積極的勧奨再開後にむしろ重要性が増すものである.なお,当研究は厚生労働科学研究委託費事業の一環として実施したものである.また,筆者らはGSK(株)・ジャパンワクチン(株)・MSD(株)からこれまでに奨学寄附金・講演料などを受領しており,これらについては所属施設などに適切に申告している.

参考文献

1) Ueda Y, et al : Evaluation of a free-coupon program for cervical cancer screening among the young : a nationally funded program conducted by a local government in Japan. J Epidemiol 25 : 50─56, 2015
2) Ueda Y, et al : Japan’s failure to vaccinate girls against human papillomavirus. Am J Obstet Gynecol 212 : 405─406, 2015
3) 第10回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会等資料  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000050385.html
4) Takata T, et al : HPV vaccination of the daughters of obstetricians and gynecologists in Japan. Int J Clin Oncol, in press

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?