文献詳細
連載 Estrogen Series・144
文献概要
かつて診た患者が数年から数十年後に卵巣癌でふたたび入院したときの驚きは大きく,担当医にとっての痛恨事である.私が昔レジデントであった時代に教えられたことの1つは,子宮筋腫などの良性疾患のために行う子宮摘出時に,40歳以前なら卵巣を残存させ,40歳以上なら卵巣摘出術をするという慣習的な方針であった.その目的はいうまでもなく卵巣癌の予防であった.ここにご紹介するのは米国産婦人科学会(ACOG)のCommittee Opinion No. 620で,今回はその意見を抄訳した1).ACOGは卵巣癌の予防を目的とするならば,卵巣を残して卵管切除のみで十分としている.
参考文献
1) ACOG Committee Opinion No.620. Obstet Gynecol 125 : 279─281, 2015
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