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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科69巻11号

2015年11月発行

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

腹腔鏡手術のピットフォール 良性疾患

2.卵巣腫瘍,子宮内膜症

著者: 工藤正尊1 櫻木範明1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科生殖内分泌・腫瘍学分野

ページ範囲:P.1036 - P.1044

文献概要

●子宮内膜症に対する腹腔鏡下手術,特に高度癒着症例に対する手術では,骨盤内の解剖を十分に理解する必要がある.

●尿管や直腸の損傷に注意する.ダグラス窩閉塞を伴う症例では,直腸の剝離の際には,直腸の左右から癒着剝離を行い,中央部の強固な癒着の剝離は最後に行う.

●仙骨子宮靱帯を深く切除する際に下腹神経,骨盤神経叢の損傷が起きやすいので,神経の走行に十分注意する.

●卵巣チョコレート囊胞に対しては,画像診断上悪性の可能性が低い場合,不妊症を含む妊孕性温存症例では,すべて囊胞摘除を行うのではなく,卵巣機能を低下させないような術式を選択するよう心がける.

参考文献

1) 産婦人科診療ガイドライン─婦人科外来編 2011
2) 金野陽輔,他 : 腹腔鏡下子宮内膜症手術時に虫垂切除術を追加施行した19例の検討.日本産科婦人科内視鏡学会誌26 : 560−564, 2010
3) 田中理恵子,他 : われわれの妊孕能温存希望のある症例に対して行う子宮内膜症病巣除去術式における子宮マニピュレーター操作の工夫.日本エンドメトリオーシス会誌33 : 196─199, 2012
4) 工藤正尊,他 : 子宮内膜症の腹腔鏡手術─血管損傷,神経損傷の回避.日本エンドメトリオーシス会誌31 : 44─47, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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