icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科69巻11号

2015年11月発行

連載 Obstetric News

早産の予知と予防(1)─切迫早産の診断(早発陣痛)

著者: 武久徹1

所属機関: 1武久レディースクリニック

ページ範囲:P.1104 - P.1105

文献概要

早発陣痛患者で適切な介入の候補者は?

 早発陣痛の妊婦のうち,最終的に早産となるか否かを診断することは難しい.早発陣痛の約30%は自然に解消し,早発陣痛で入院した患者の50%は実際には満期分娩となる.

 分娩の可能性を減少させる介入は,分娩時期遅延が新生児に便益性を与える妊娠週数での早発陣痛妊婦に行うべきである.一般的には子宮収縮抑制薬は48時間までは有効である(Cochrane Database of Systematic Reviews 2004, Issue 4. Art. No. : CD004352)から,48時間の分娩遅延で便益性がある胎児の妊婦のみが子宮収縮抑制薬療法を受けるべきである.一般的には,新生児生存可能前の使用の適応はない.介入にかかわらず,その時期での周産期罹患および死亡率は非常に高いので,子宮収縮抑制薬療法に関連するリスクを正当化できない.しかし,胎児生存可能妊娠週数前の子宮収縮抑制薬投与が適切な時期もある可能性がある.例えば,腹腔内手術のような早発陣痛の原因となることが知られている事象後の患者で,子宮収縮を抑制することの有効性は依然として不明であるが,仮に有効であるとすれば,このような場合では胎児生存可能妊娠週数以前でも理にかなっているかも知れない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら