臨床婦人科産科69巻4号

2015年04月発行

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

I　妊娠週数ごとの健診の実際 妊娠22から36週まで 診断と外来対応

胎児死亡

著者： 石本人士¹

所属機関： ¹東海大学医学部専門診療学系産婦人科

ページ範囲：P.210 - P.215

文献概要

POINT

◇死産には子宮内胎児死亡（IUFD）と分娩中の胎児死亡が含まれ，妊娠22週以降では約300人の妊婦に1件の割合で死産が発生する．

◇子宮内胎児死亡の予知は困難であり，また妊娠22週以降の死産の約25％が原因不明であることを認識する．

◇胎児の死亡時期の特定は困難な場合も多いが，臨床経過や所見から総合的に判断する．

◇死産児の外表検査と胎盤・臍帯の肉眼的観察は必須の検査である．

◇児に形態や染色体の異常がある場合，同胞発生の可能性などに関して適切な情報源を用いて十分に情報収集を行い，産婦・家族に伝える．

◇死産児の尊厳に配慮し，また産婦と家族の悲嘆のプロセスを理解して対応する．

参考文献

1） Gardosi J, et al : Classification of stillbirth by relevant condition at death（ReCoDe） : population based cohort study. BMJ 331 : 1113─1117, 2005

2）佐藤昌司 : 本邦における死産の疫学─日本産科婦人科学会周産期登録データベースから．日周産期・新生児医会誌43 : 937─940, 2007

3） Fretts RC : Diagnosis and management of stillbirth. 2014 UpToDate, 2014

4） 日本産科婦人科学会／日本産婦人科医会（編） : 子宮内胎児死亡例（妊娠22週以降）における原因検索と産婦・家族への対応については？（CQ 804）．産婦人科診療ガイドライン─産科編 2014．pp376─381，日本産科婦人科学会，2014