文献詳細
増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント
II ハイリスク妊婦の管理
文献概要
POINT
◇てんかんとは,「さまざまな原因により起こる慢性の脳の病気であり,大脳の神経細胞の過剰な活動に由来する反復性の発作(てんかん発作)を主徴とし,これに変化に富んだ臨床および検査の異常を伴うもの」とされている.
◇てんかん合併妊娠には次の問題点がある.
(1)妊娠によるてんかんへの影響
全妊婦の0.3〜1%にてんかんを合併する.妊娠前と同じ内容・量の抗てんかん薬を服用していた場合,7〜25%は発作頻度減少.20〜33%は発作頻度増加,50〜83%は不変とされている.
(2)妊娠中の発作が妊娠経過や胎児に影響しないのか?
全身けいれん発作は胎児の低酸素状態やアシドーシスを招くため,流早産や胎児の脳障害を引き起こすリスクとなる.それ以外の発作は基本的に妊娠経過・出産に影響しない.
(3)抗てんかん薬の服用により児に影響を及ぼさないのか?
薬剤により異なるが,原則として薬剤数が少ないほど,服用量が少ないほど,血中濃度が低いほど児への影響が少ない.よって単剤・低用量での投与が望ましい.特に妊娠経過における第1三半期はcritical periodとされ,薬物曝露の影響が強い.
◇てんかんとは,「さまざまな原因により起こる慢性の脳の病気であり,大脳の神経細胞の過剰な活動に由来する反復性の発作(てんかん発作)を主徴とし,これに変化に富んだ臨床および検査の異常を伴うもの」とされている.
◇てんかん合併妊娠には次の問題点がある.
(1)妊娠によるてんかんへの影響
全妊婦の0.3〜1%にてんかんを合併する.妊娠前と同じ内容・量の抗てんかん薬を服用していた場合,7〜25%は発作頻度減少.20〜33%は発作頻度増加,50〜83%は不変とされている.
(2)妊娠中の発作が妊娠経過や胎児に影響しないのか?
全身けいれん発作は胎児の低酸素状態やアシドーシスを招くため,流早産や胎児の脳障害を引き起こすリスクとなる.それ以外の発作は基本的に妊娠経過・出産に影響しない.
(3)抗てんかん薬の服用により児に影響を及ぼさないのか?
薬剤により異なるが,原則として薬剤数が少ないほど,服用量が少ないほど,血中濃度が低いほど児への影響が少ない.よって単剤・低用量での投与が望ましい.特に妊娠経過における第1三半期はcritical periodとされ,薬物曝露の影響が強い.
参考文献
1) 日本神経学会 編 : てんかん治療ガイドライン2010.医学書院,2010
2) Morrow J, et al : Malformation risks of antiepileptic drugs in pregnancy : a prospective study from the UK Epilepsy and Pregnancy Register. J Neurol Neurosurg Psychiatry 77 : 193─198, 2006
3) Bossi L : Fetal effects of anticonvulsants. Antiepileptic drug therapy in pediatrics(Morselli PL, et al. eds) pp37─64, Raven Pres, New York, 1983
4) Meador K, et al : Pregnancy outcomes in women with epilepsy : a systematic review and meta-analysis of published pregnancy registries and cohorts. Epilepsy Res 81 : 1─13, 2008
5) 日本産婦人科学会/日本産婦人科医会 編 : 産婦人科診療ガイドライン─産科編 2014.pp78─80,日本産科婦人科学会事務局,2014
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