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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科69巻5号

2015年05月発行

文献概要

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く 不妊症

6.男性不妊

著者: 宮本敏伸1 水無瀬学1 千石一雄1

所属機関: 1旭川医科大学医学部産婦人科学講座

ページ範囲:P.448 - P.453

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●今日,不妊カップルの約半数において男性因子が存在する.この点を初診時によく説明し理解していただくことが,今後の診察および治療を円滑に進めていくうえできわめて重要である.

●不妊症患者を診察する際には,早めに必ず精液検査を行うことが大切である.子宮卵管造影検査による卵管の通過性の有無,および精液検査の所見を得ずして,いたずらにクロミフェンなどの排卵誘発を行うことは慎むべきである.

●造精機能の評価のスクリーニングとしては,LH, FSHおよびびテストステロンの測定は必須であり,プロラクチン値も同時に測定する.上記スクリーニング検査において最も頻度が高い内分泌学的異常は血清FSHの上昇である.

●遺伝学的検査では染色体検査のほかに,Y染色体長腕遠位部に存在する無精子症因子(AZF region)が広く知られている.現在は外注検査で精査が可能となっており,MD-TESEの前に行う検査として必須となっている.

●挙児希望の患者が初診で訪れたときは十分な問診を行い,適切な時期における内分泌学的検査,子宮卵管造影検査,精液検査,さらには自然な状態での基礎体温のチェックおよび超音波検査にて自然排卵の有無を確認し,まずなぜ妊娠しないのかという原点からの論理的なスクリーニングが望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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