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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科69巻7号

2015年07月発行

連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール

5回の細胞診および組織診を行ったにもかかわらず診断しえなかった子宮頸がんの1例

著者: 脇田勝次1

所属機関: 1高山赤十字病院産婦人科

ページ範囲:P.682 - P.690

文献概要

症例

患者

 74歳,4経妊2経産.

主訴

 左下肢痛.

既往歴

 67歳 : 強皮症.

 72歳 : 喘息,逆流性食道炎.

現病歴

 X年11月中旬,左下肢の腫脹に気づき,A病院整形外科を受診.CTや超音波検査を施行したが,特に異常を指摘されなかった.しかし,症状が軽快しないため,12月初旬に当院整形外科を受診した.左下肢の中等度の腫脹と軽度の熱感を認めたが,圧痛は訴えなかった.深部静脈血栓が疑われ,同日外科に紹介された.下肢静脈超音波検査では明らかな血栓・血管拡張などは認められなかった.CTにて子宮頸部の病変は同定できなかったが,左外腸骨静脈起始部の腫脹したリンパ節による静脈の圧迫と子宮内に少量の液体貯留を認めたため,同日当科に紹介された(図1a).

参考文献

1) Yosida Y, et al : Evaluating the accuracy of uterine cancer screening with the regionl cancer registration system. Acta Cytol 45 : 157─162, 2001
2) がん検診の適切な方法とその評価方法の確立に関する研究班 : 有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドライン,2009
3) 加藤 紘,他 : SCC抗原.日本臨床57 : 510─512, 1999
4) 島田宗昭,他 : 子宮がんに対する術前補助化学療法の意義は?.臨床腫瘍プラクティス2 : 166─169, 2012
5) 庄子忠宏,他 : 局所進行子宮頸部扁平上皮がんに対する術前化学療法(NAC)の位置付け.日外科系連会誌37 : 214─222, 2012
6) 鳥居 裕,他 : 子宮頸癌FIGOIb2〜IIb期に対するNACの意義.東海産婦誌48 : 165─171, 2011
7) 日本婦人科腫瘍学会(編): 子宮頸がん治療ガイドライン2011年版.金原出版,2011
8) NCCN : Cervical Cancer Guideline(version 1.2011).http://www.nccn.org/professio-Nals/physician_gls/pdf/cervical.pdf

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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