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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科7巻13号

1953年12月発行

診療室

婦人科局所止血劑としてのアルギン酸曹達鹽の効果

著者: 國貞勝子1

所属機関: 1慶應義塾大學醫學部産婦人科教室

ページ範囲:P.901 - P.906

文献概要

緒言
 現在我國に於ける外科,産婦人科,耳鼻科等領域に於て,實質性出血及び局所出血に對する處置に際し,困難を感じる場合が,かなり多く存在する。私は之に對してアルギン酸曹達鹽比較的濃度高率の液を用い,産婦人科的に慮用し,止血劑としての効果を擧げ,從來の綿花フエストタンポン等による副作用(發熱等)を輕減し得たので報告する。
 このアルギン酸曹達鹽とは,從來工業用として廣く用いられ,その驚異的な高粘性によつて乳化液の安定劑,分散劑並びに粘強劑として獨自の性能を示し,食料,アイスクリーム,製菓,化粧品紡織,捺染,歯科材料,ゴム,水性塗料,裝紙工業等に急速な發展を遂げ,從來のそれらの製造技術を革新したところが多いといわれている。醫學的には最近ば大友田教授により,アルギン酸曹達鹽の精製品を代用血漿として大出血後の虚脱等に効果を認め,又増血作用のあることを報告したが以來各方面に於て應用されるに至り,又この止血作用に就いても研究が行われ,特に1946年C.A.Smith氏により.止血剤としての利用を報じられて以來注目されて來た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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