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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科7巻3号

1953年03月発行

境界領域

妊娠と膠原病

著者: 王子喜一1 和田正久1

所属機関: 1大阪大學醫學部第一内科教室

ページ範囲:P.127 - P.130

文献概要

1.緒言
 米國Mayo ClinicのHenchがロイマ樣關節炎に副腎皮質ホルモンであるコルチゾンが奏效する事を發見して1950年度のノーベル醫學賞を受けたのは世人の記憶に新たな處である。其の發見の端緒となつたのは彼がロイマ樣關節炎が黄疸1)又は妊娠2)を合併すると症状の著明な緩解を見る事實に注目した爲である3)
 Klemperer4)等はロイマ熱,ロイマ樣關節炎,急性紅斑性狼瘡,廣範性皮膚硬化症,皮膚筋肉炎等の樣な結合組織の廣範な組織學的變化を特色とする急性慢性の疾患を膠原病と總稱する事を提唱して居るが,此等の疾患は何れも下垂體副腎皮質系ホルモンのACTH,コルチゾンが奏效する事が知られるに及んで,膠原病と妊娠との關係も新たな注意をひく樣になつた。周知の樣に妊娠時には胎盤の内分泌も行われ,黄體ホルモンの分泌が持續し,全身の内分泌平衡の變調を來す。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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