文献詳細
原著
サドル・ブロツクに邦製ポントケイン(Pontocaine)を用いた分娩第2期の無痛分娩法
著者: 長內國臣1 齊藤博1
所属機関: 1横濱警友病院産婦人科
ページ範囲:P.134 - P.139
文献概要
分娩第2期の無痛分娩法として筆者長内は,昭和21年9月以降クロルエチルによる吸入麻醉法と陰部神經竝に會陰局所浸潤麻醉法との併用法を行つてきたが(日産婦會誌,1,5,昭24,11),昭和26年1月以來クロルエチル吸入法の一部をスエーデンより輸入した携行麻醉器による笑氣ガスの吸入痲醉に代え(臨婦産,5,5,昭26,5;産と婦,18,10,202,昭26,10),更に昭和26年6月以降陰部神經麻醉にヒヤルロニダーゼ製劑を添加してその作用の増強を計り(産婦人科の實際,1,3,昭27,3),次いで昭和26年11月以降はこれらにペントサール邦製品たるラボナール靜脈注射法をも加え(産婦人科の實際,1,10,昭27,10),手技の完成に努めると共に各麻醉法の利點と缺點とを體得してきた。
かくして吾々は個々の分娩經過に應じて,適した麻醉法を取捨選擇し得る樣に努力しているが,今回は本邦でもボツボツ行われはじめたサドル・ブロック(saddle block)を昭和27年7月以降横濱警友病院で實施中であり,その麻醉劑として現在アメリカで一般的なポントケイン(pontocaine)の邦製品を用いることが出來たので報告する。
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