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速報
惡性腫瘍の眼前房内移植實験(その1)—I.マウス癌の同種移植
著者: 石島千城1 伊藤尚一1 服部順1
所属機関: 1慶應大學醫學部婦人科
ページ範囲:P.237 - P.238
文献購入ページに移動眼前房は種屬特異性が少いためか組織移植に適合した部位であることはVan Dooremaal (1873)の犬の實驗以來明らかにされたところである。その後種々な悪性腫瘍の移植が試みられて,同種移植ではRuren (1912)が成功し,異種移植ではHegner,Keysser (1913)等が初めて報告した。我國でも悪性腫瘍同種移植は大正末より十數名の研究者により發表されている。但し異種移植の成功例は報告が少い。
1941年以來Greenはモルモットの前房が人癌移植の最適部であることを述べ,「悪性腫瘍なることは無限に累代移植し得る能力により決定さるべきこと及び累代移植により未分化腫瘍は分化を示して來る故未分化の轉移腫瘍などの分類にも役立つ。」と論じ,注目された。その後に於ける約10人の追試報告では殆どが不成功で,Greenと反對の見解をとつているものが多い。我々の實驗はこの追試が主要な目的であるが,他面には癌の形態學的及び生物學的動態を共同研究者服部及び伊藤の孵化鶏卵内培養と組織培養とも比較し検討しようとするものである。
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