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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科7巻4号

1953年04月発行

文献概要

檢査室

簡易實用的な梅毒スピロヘータの新染色法

著者: 安武豊志男1 小宮秀男1 中田弘彦1

所属機関: 1慶應義塾大學醫學部産婦人科教室

ページ範囲:P.244 - P.244

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Treponema pallidumの染色法が淋菌に對するLöffler氏メチレン青單染色の如く一般臨床家が日常外來診療で用うる域に達すれば極めて便利である。元來T.pは色素に染りにくいためいろいろの工夫が案出されてきた。新しい染色法が發表される毎にその方法が在來の方法に比較して操作が容易であると強調されている割合に,何處でも入手できそうにもない特殊な色素や,高價な色素を用いたり,之の試藥に多數の材料を必要としたり特殊な装置を用いなければならないため實際には殆ど普及していないものが多いという實状にある
 T.pの水銀親和性という點から最近小野田(洋一)氏によつてマーキロクロームの單染色による方法も發表されたが,餘りに單純に過ぎて遺憾ながら被検體の検出に急なる餘り明瞭に認めることができない。著者の一人小宮は先に米國文献(1950)からDe Lamaterの染色法を試みて,之を發表しているが,私共は更に佛國文献(1951)からVágó—Jouy氏法を得て,之に多少の經驗的知見を加え極めて滿足すべき成績を得ており,かかる検出法を必要とする實地醫家の日常臨床上に本法は期待できると信ずるものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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