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文献概要
原著
ペントバルビタール(Pentobarbital)劑の經口法に靜注法を併用した分娩第1期の無痛分娩法
著者: 長內國臣1 齋藤博1
所属機関: 1警友病院産婦人科
ページ範囲:P.273 - P.278
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吾々はさきに分娩第1期の鎮静(Sedationとして,ペントバルビタール(以下ペ・バと略記)の經口法7)を發表した。方法は分娩が開始し,産痛が不快となり始めた時に,先ずその0.39を投與し,爾後は毎3時間に初回量の半量たる0.15g宛追加してゆくもので,その後も引き續き經驗を重ねているが,本法は誠に簡易であると共に,本邦婦人に對するペ・バ劑使用の一つの安全なる型を示し得たものと信じている。然し本法は飽くまでもペ・バ劑經口投與法の基本型であり,現在ではこれに他の鎮痛・鎮静劑の併用も當然可能であり且好ましいことを認めている。即ちこの併用法で得られる利點は麻醉の平衡作用が得られることと同時に,分娩進行の遅速乃至は産痛の強弱に應じてより效果的な鎮静が得られるからである。
従つて吾々は昭和27年3月以降横濱警友病院でペ・バ劑經口法を主體として,これに併用し得る藥劑のいくつかを検討中であるが,先ずその經口法に静注法を加えた際の效用に就いて報告する。
吾々はさきに分娩第1期の鎮静(Sedationとして,ペントバルビタール(以下ペ・バと略記)の經口法7)を發表した。方法は分娩が開始し,産痛が不快となり始めた時に,先ずその0.39を投與し,爾後は毎3時間に初回量の半量たる0.15g宛追加してゆくもので,その後も引き續き經驗を重ねているが,本法は誠に簡易であると共に,本邦婦人に對するペ・バ劑使用の一つの安全なる型を示し得たものと信じている。然し本法は飽くまでもペ・バ劑經口投與法の基本型であり,現在ではこれに他の鎮痛・鎮静劑の併用も當然可能であり且好ましいことを認めている。即ちこの併用法で得られる利點は麻醉の平衡作用が得られることと同時に,分娩進行の遅速乃至は産痛の強弱に應じてより效果的な鎮静が得られるからである。
従つて吾々は昭和27年3月以降横濱警友病院でペ・バ劑經口法を主體として,これに併用し得る藥劑のいくつかを検討中であるが,先ずその經口法に静注法を加えた際の效用に就いて報告する。
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