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抄録
産科に於けるCrush症候群(Le Crush syndrome en obstétrique.),他
著者: 辻井1
所属機関: 1東大
ページ範囲:P.305 - P.306
文献購入ページに移動 Bywaters et Beall(1941)は空襲による肢體の重傷患者に無尿を來すものを發見し,之をrush (壓碎)症候群と呼んだが,James Young (1942)は産科の重症特に常位胎盤早期剥離と子宮破裂に之を見,産科領域のCruah症候群と稱し,更にPaxon,Golubet et Huntev,(1947)は卵巣嚢腫の莖捻轉にも合併する事を知つた。Byuatersは初發の外傷性症状,ショック及び無尿を3要素としているが,産科では妊婦の腹部外傷(子宮破裂を含む),子癇前驅状態及び婦人科領域のもの(Paxonの例)が問題となる。腎臓の病理所見は廣汎な出血性浸潤で,組織學的には糸毬體は正常,曲細尿管とHenle係蹄に變化があり,細胞融解,核消失,結晶メトヘモグロビンによる血性圓柱が見られ,一般に細胞の退行變性を併うépithéliale)の像を呈する。
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