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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科7巻8号

1953年08月発行

文献概要

診療室

不整子宮出血に對する高單位ビベンヂル系合成ホルモンロバール使用臨床成績

著者: 吹田淸純1 大石穰1

所属機関: 1倉敷中央病院産婦人科

ページ範囲:P.492 - P.495

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緒言
 婦人科領域に於ける外來患者中不整出血を訴えて來院する者は多く,殊に此の中には重要な疾患がある一方何等特別の内診所見なく原因を明になし得ずして所謂不整出血,機能性出血としてすまされる場合も多く,又其の原因並に病名に關しても諸説一致をみない状況にある様である。最近之等不整出血に對しホルモン而も高單位卵胞ホルモンの應用が盛となり,又よい結果を得ている文献報告にも接する。從來機能性不整出血に對しては黄體ホルモンの使用が推賞され,更に腦下垂體前葉ホルモンがあげられ,私もその製劑プレホルモンを使用しある程度の效果を認めていた。ついで高單位卵胞ホルモンの使用が盛となり之は腦下垂體前葉に作用し二次的に卵巣に作用すると云われている。又該ホルモンを一應使用して止血の效果がない場合は他の疾患によるものとする鑑別診斷にも用いられている。又不整出血中には末梢血管の閉鎖不全によつて起るものもあり之等に對して卵胞ホルモンが有效であるのはホルモン作用と云うより血管收縮作用によると考えられている様である。私も早くから不整出血に高單位卵胞ホルモンを使用しその作用機轉はともかくとして臨床的に有效な事をみていたが昨昭和27年一年間本院外來患者中不整出血主訴の種々婦人科的疾患にビベンヂル系合成ホルモンロバール5萬單位を使用し良好な結果を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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