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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科7巻9号

1953年09月発行

原著

笑氣吸入無痛分娩法の基礎的並びに臨床的研究—特に子宮收縮に及ぼす影響に就て

著者: 長野壽久1

所属機関: 1東京大學醫學部産婦人科學教室

ページ範囲:P.521 - P.526

文献概要

緒論
 笑氣吸入による所謂無痛分娩法はKlikowitch,Winkel等によつて應用されて以來,麻醉發來並に回復が極めて迅速且つ深度の調節性に富む等の長所があり,殊にアメリカに於て適切な麻醉裝置が改良製作されるに及び其の使用は本格化され,歐米では現在娩出期に於ける麻醉の王座を占めるに至つた。
 然るに我が國では,未だ織田,尾島兩氏の臨床報告を見るのみであり,殊にその基礎的實驗に至つては皆無の状態に加えて臨床的實驗特に其の陣痛に及ぼす影響に就ても從來單に腹壁上より手掌を用いて觸診することに依り子宮收縮の強さ及び持續時間等を測定する所謂觸診法が慣用されたに過ぎず,從てその成績判定上主觀に依る誤差が不可避であつた事實に鑑み,余は吾教室故富澤博士の考案になる子宮收縮外測裝置を用いて笑氣の家兎生體子宮收縮に及ぼす影響並に臨床上陣痛に及ぼす作用に就き詳細な觀察を試み,認むべき成績を得たので,以下其の概要を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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