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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科7巻9号

1953年09月発行

文献概要

原著

子宮癌患者に對するMethylandrostendiolの實驗例

著者: 和田善二1 越智勳1

所属機関: 1都立墨田病院産婦人科

ページ範囲:P.526 - P.531

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緒言
 さきにKochakian1)は人體並に各種實驗動物に對して蛋白質同化作用促進物質としてAndro-genが有効に作用する事を認め,さらにKenyon等2)により正常なる男子及び婦人においても有効なことが明らかにされた。その後各種の研究により蛋白質同化作用をもつている各種SteroidのうちTestosteronは現在最も強力なものとされている。即ちTestosteronにより,總てのアミノ酸が體内において充分利用され,多量の蛋白質が合成され,筋組織が肥大し,體重増加を來たすものである。
 このTestosteronは蛋白質,アミノ酸を投與する際に體内において有効に利用する目的をもつて現在臨床的に應用されている。しかしこの目的に,Testosteronを使用する場合,臨床的に最も障害となるのは,これを小兒や女性に長期間,大量に投與した場合に男性化作用がおこることが問題となる。このためにTestosteronの使用範圍がせまくなつてしまうのであるが,最近Methylandro-stendiol (M.A.D)なる有力な蛋白質同化作用促進物質が明らかにされた。このSteroidは1935年Ruzickaににより合成されたもので,Methylte-stosteron (M.T.S)に極く類似の構造式を示し,蛋白質同化作用は極めて強く,これに反して男性化作用は弱いものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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