文献詳細
連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール
妊娠36週に腟外脱出した巨大子宮頸部筋腫内への大量出血により胎児心拍数モニタリング異常を呈した症例
著者: 多田克彦1 立石洋子1 塚原紗耶1
所属機関: 1国立病院機構岡山医療センター産婦人科
ページ範囲:P.126 - P.132
文献概要
妊婦の高齢化と超音波検査などの診断技術の向上に伴い,子宮筋腫合併妊娠の頻度は増加している1).子宮筋腫合併妊娠では,切迫早産をはじめとして,前期破水,子宮内胎児発育遅延などの頻度が上昇するが,妊娠予後は比較的良好であり1),緊急処置を必要とする症例は少ない.われわれは,妊娠36週に腟外に脱出した子宮頸部筋腫内に大量出血することで,脱出筋腫が急速な増大を示し,最終的に母体のhypovolemic shockから胎児機能不全に至ったきわめて稀な症例を経験したので紹介する.
参考文献
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