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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科70巻1号

2016年01月発行

連載 Estrogen Series・147

外傷性脳損傷とプロゲステロン(1)

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.135 - P.135

文献概要

 世界的に外傷性脳損傷(traumatic brain injury : TBI)は重大な障害や死亡をもたらす原因である.TBI発生の1番の原因は自動車事故である.いままでいくつかの試験により,さらに最近2種の初期フェーズ試験により,プロゲステロンがTBI患者の神経学的な予後を改善することが報告されている.

 プロゲステロンは中枢神経系内で合成される強力な神経ステロイドである.いままでの動物試験で,TBIに対するプロゲステロンの投与は脳浮腫,神経学的欠損,行動欠損などを減少させることが報告されている.その後,2種の臨床試験で,プラセボに比較してプロゲステロンの投与がTBI患者のアウトカムを改善させることが示され,プロゲステロンに対する期待が高まった.

参考文献

1) Wright DW et al : Very Early Administration of Progesterone for Traumatic Brain Injury. New Engl J Med 371 : 2457─2466, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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