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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科70巻1号

2016年01月発行

文献概要

症例

帝王切開術後に持続する頭痛より判明した慢性硬膜下血腫の1症例

著者: 内藤子来1 福岡実1 呉佳恵1 武信尚史1 脇本栄子1 松田孝之1

所属機関: 1恵生会病院産婦人科

ページ範囲:P.139 - P.142

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要約

 帝王切開術後の頭痛症は,低髄液圧によるものが多く,血圧の上昇があれば妊娠高血圧症候群の除外診断も必要となる.今回われわれは,骨盤位のため妊娠37週3日で選択的帝王切開術を施行後に持続する頭痛が出現し,当初は腰椎麻酔後の低髄液圧による頭痛や血圧の上昇を伴っていたことから妊娠高血圧症候群を疑うも,神経症状が出現し始めたことにより画像検査を施行することで,最終的に慢性硬膜下血腫が判明した症例を経験したので報告する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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