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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科70巻10号

2016年10月発行

連載 Estrogen Series・155

更年期後のホルモン療法と動脈硬化症

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.977 - P.978

文献概要

 1980年代に行われた多くのホルモン療法に関する研究によれば,ホルモン療法は更年期後女性の冠動脈疾患を約50%ほども低下させると当時予想された1).したがって,そのような治療法は冠動脈疾患の治療のみならず,その予防にも有効であると推定された.

 しかしながら,その後の大規模試験によると,更年期後のホルモン療法には心血管系に対する効果はみられなかった.ある研究では1年間のエストロゲン─プロゲスチン療法で,かえって冠動脈疾患の増加をみた2).WHI研究では,エストロゲンおよびプロゲスチンの使用により心疾患および脳卒中のリスクは有意な増加をみた3).この研究で,エストロゲンのみ使用した選択肢では,脳卒中の増加がみられ,冠動脈疾患の有意な減少はみられなかった4)

参考文献

1)Stampfer MJ, et al : Prev Med 20 : 47─63, 1991
2)Hulley S, et al : JAMA 280 : 605─613, 1998
3)Rossouw JE, et al : JAMA 288 : 321─333, 2002
4)Manson EJ, et al : NEJM 349 : 523─534, 2003
5)Hodis, et al : NEJM 374 : 1221─1231, 2016
6)Keaney JF, et al : NEJM 374 : 1279─1280, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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