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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科70巻3号

2016年04月発行

今月の臨床 産科大出血に慌てない!!

知っておくべき疾患別対処法

産道損傷─頸管裂傷と腟壁血腫

著者: 杉本充弘12

所属機関: 1東都文京病院 2日本赤十字社医療センター

ページ範囲:P.308 - P.315

文献概要

●頸管裂傷への対応では,頸管裂傷縫合セットの常備,術野の確保,最深部断裂血管の確実な縫合,さらに,裂傷が腟円蓋に及ぶ場合は子宮破裂を見逃さないことが重要である.

●分娩後に腟・会陰,肛門周囲の激しい疼痛がある場合は,血腫を疑い,造影CT検査を行う.腟壁血腫の出血部位同定や止血が難しい場合は,ドレーン留置,ガーゼ圧迫止血処置を行う.

●後腹膜腔に血液浸潤が及ぶ場合は,動脈塞栓術(TAE)による血流減量処置,または,開腹による血流減量処置と腟傍結合組織ガーゼ充填圧迫止血処置が有用である.

参考文献

1)日本母性保護産婦人科医会 : 日母研修ノートNo.60.産道損傷.pp32─37,1993
2)杉本充弘 : 頸管裂傷縫合術.産婦の実際50 : 1419─1424, 2001
3)杉本充弘 : 子宮破裂の原因と対策.周産期医学29 : 177─180, 1999
4)笠井靖代,他 : 分娩後しばらくして殿部の痛みを訴えている!─外陰・腟壁血腫.ペリネイタルケア358 : 54─56, 2009
5)杉本充弘 : 腟壁血腫への対応.日産婦誌62 : N278─N282, 2010
6)杉本充弘 : 分娩後の腟壁血腫への対応(外科的治療法).東京産婦人科医会報47 : 15─16, 2015
7)長谷川ゆり,他 : 産科的出血に対する動脈塞栓術.産と婦76 : 1112─1116, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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