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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科70巻3号

2016年04月発行

文献概要

連載 Obstetric News

妊娠初期のSSRIs曝露と流産リスク

著者: 武久徹1

所属機関: 1武久レディースクリニック

ページ範囲:P.340 - P.343

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SSRIと流産リスク

 全妊婦の最高15%が,妊娠中にうつ症状を呈すると予測されている.未治療のうつ病は,子癇前症,早産,低体重児,流産に関連がある.BassiouniとRafeiが,流産となった女性は分娩に至った女性に比較して血中のセロトニン濃度がより高率だったことを報告して以来,妊婦における選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)療法に関する大きな懸念がある.

 デンマークでは妊娠中にSSRIs療法を受けた妊婦数が1997年から2010年の間に16倍に増加し,米国では最高13%の妊婦が,妊娠前期にSSRI治療を受けている.SSRI曝露に関連する流産リスクを調べたいくつかの研究があるが,結果は一定ではなく,流産リスクの上昇が薬剤曝露の続発症によるものなのか,基礎疾患によるものなのかを十分に解明した研究はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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