文献詳細
増刊号 ─知りたい最新情報がすぐわかる!─不妊・不育症診療パーフェクトガイド
8.不育症の検査・診断
文献概要
Point
◉抗リン脂質抗体は歴史的に梅毒反応偽陽性として発見されたため,抗カルジオリピン(CL)抗体が最も有名である.
◉抗リン脂質抗体といってもその目標抗原の多くはリン脂質ではなく,さまざまなリン脂質結合蛋白であり,それぞれの病原性およびその病態は異なると考えられる.
◉血栓症や妊娠中・後期子宮内胎児死亡のリスクが高いのは,抗CL-β2GPI複合体抗体と希釈ラッセル蛇毒時間で測定したループスアンチコアグラント(LA)が両者とも陽性の場合であるといわれている.
◉妊娠初期流産を繰り返すタイプの不育症患者は,抗リン脂質抗体症候群の診断基準にある抗CL抗体やLAが陽性のことは少なく,むしろ抗ホスファチジルエタノールアミン(PE)抗体をもつことが多い.
◉抗リン脂質抗体は歴史的に梅毒反応偽陽性として発見されたため,抗カルジオリピン(CL)抗体が最も有名である.
◉抗リン脂質抗体といってもその目標抗原の多くはリン脂質ではなく,さまざまなリン脂質結合蛋白であり,それぞれの病原性およびその病態は異なると考えられる.
◉血栓症や妊娠中・後期子宮内胎児死亡のリスクが高いのは,抗CL-β2GPI複合体抗体と希釈ラッセル蛇毒時間で測定したループスアンチコアグラント(LA)が両者とも陽性の場合であるといわれている.
◉妊娠初期流産を繰り返すタイプの不育症患者は,抗リン脂質抗体症候群の診断基準にある抗CL抗体やLAが陽性のことは少なく,むしろ抗ホスファチジルエタノールアミン(PE)抗体をもつことが多い.
参考文献
1)Roubey RA : Autoantibodies to phospholipid-binding plasma proteins ; a new view of lupus anticoagulants and other “antiphospholipid” autoantibodies. Blood 84 : 2854─2867, 1994
2)Sugi T, et al : Autoantibodies to phosphatidylethanolamine(PE) recognize a kininogen-PE complex. Blood 86 : 3083─3089, 1995
3)Miyakis S, et al : International consensus statement on an update of the classification criteria for definite antiphospholipid syndrome(APS). J Thromb Haemost 4 : 295─306, 2006
4)Pengo V, et al : Subcommittee on lupus anticoagulant/antiphospholipid antibody of the scientific and standardisation committee of the International Society on Thrombosis and Haemostasis ; Update of the guidelines for lupus anticoagulant detection. J Thromb Haemost 7 : 1737─1740, 2009
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