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増刊号 ─知りたい最新情報がすぐわかる!─不妊・不育症診療パーフェクトガイド 9.不育症の治療
Q2 免疫グロブリン療法は有効ですか? また実施するとしたら注意点は何ですか?
著者: 山田秀人1
所属機関: 1神戸大学大学院医学研究科外科系講座産科婦人科学分野
ページ範囲:P.383 - P.385
文献購入ページに移動A ・原因・リスク因子が不明の習慣流産に対して,母体静脈内免疫グロブリン療法(IVIg)の有効性を認めた二重盲検試験(RCT)は,これまでに1研究しかありません.続発性習慣流産に対するIVIgの有効性を報告した近年のシステマティック・レビューと,それを否定するレビューが存在します.したがって,習慣流産に対するIVIgの有効性は,いまだ未確定であるといえます.その理由は,これまでのIVIgのRCTにおいては,投与量と期間がまちまちで,対象の流産回数が少なく(軽症),絨毛染色体の検査もされていない(効果判定が不正確)など,問題点が多いからです.
・妊娠初期大量免疫グロブリン療法(HIVIg)は,世界で初めて日本で実施された治療法で,インタクト型Ig 20gを5日間連続して投与(総投与量100g)します.RCTではありませんが,4回以上の流産歴をもつ難治性習慣流産に対して有用であるとする報告があります.この治療を行う場合には,自費診療となり,かつ倫理委員会などの承認と患者同意が必要です.IgA欠損やIgに対するアレルギーがないことをあらかじめ確認しておかなければなりません.
・妊娠初期大量免疫グロブリン療法(HIVIg)は,世界で初めて日本で実施された治療法で,インタクト型Ig 20gを5日間連続して投与(総投与量100g)します.RCTではありませんが,4回以上の流産歴をもつ難治性習慣流産に対して有用であるとする報告があります.この治療を行う場合には,自費診療となり,かつ倫理委員会などの承認と患者同意が必要です.IgA欠損やIgに対するアレルギーがないことをあらかじめ確認しておかなければなりません.
参考文献
1)Coulam CB, et al : Intravenous immunoglobulin for treatment of recurrent pregnancy loss. Am J Reprod Immunol 34 : 333─337, 1995
2)Ata B, et al : A systematic review of intravenous immunoglobulin for treatment of unexplained recurrent miscarriage. Fertil Steril 95 : 1080─1085. e1─2, 2011
3)Christiansen O, et al : Intravenous immunoglobulin treatment for secondary recurrent miscarriage ; a randomised, double-blind, placebo-controlled trial. BJOG 122 : 500─508, 2015
4)Yamada H, et al : Massive immunoglobulin treatment in women with four or more recurrent spontaneous primary abortions due to unexplained aetiology. Hum Reprod 3 : 2620─2623, 1998
5)Yamada H, et al : A high dose intravenous immunoglobulin therapy for women with four or more recurrent spontaneous abortions. ISRN Obstet Gynecol 2012 : 512732, 2012
6)齋藤 滋,他 : 本邦における不育症リスク因子とその予後に関する研究 厚生労働科学研究費補助金成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業 不育症に関する再評価と新たなる治療法の開発に関する研究.平成20年度〜22年度総合研究報告書.p53,2011
7)Yamada H, et al : Medium-dose intravenous immunoglobulin therapy for women with six or more recurrent miscarriages. J Reprod Immunol 109 : 48─51, 2015
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