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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科70巻6号

2016年06月発行

文献概要

今月の臨床 若年女性の外来診療に役立つ基礎知識

性同一性障害

著者: 中塚幹也123

所属機関: 1岡山大学大学院保健学研究科 2岡山大学ジェンダークリニック 3GID(性同一性障害)学会

ページ範囲:P.475 - P.480

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●性同一性障害の診断では,身体の性と性自認との関係に着目し,性指向や性役割は問わない.この点では,身体の性と性指向との関係に着目して判断する同性愛とは異なる.

●ホルモン療法中は,副作用のチェックのための検査と,禁煙や体重管理などの注意を喚起する必要がある.

●二次性徴に伴って起こる自殺企図や不登校,また,不可逆的な身体の変化を回避するためには,適切な時期に二次性徴抑制療法を行うことが有効である.

参考文献

1)中塚幹也 : 生殖の構造と機能を学ぶ/ジェンダーとセクシュアリティ.講義録 産科婦人科学(石原 理,他 編),pp56─57,メジカルビュー社,2010
2)中塚幹也 : 学校の中の「性別違和感」を持つ子ども : 性同一性障害の生徒に向き合う.JSPS日本学術振興会科学研究費助成事業23651263 挑戦的萌芽研究「学校における性同一性障害の子どもへの支援法の確立に向けて」.pp1─46,2013
3)中塚幹也 : 特集 : 小児科外来における思春期の診療の実際.避けてはいられない性の問題.⑧性同一性障害.外来小児,2016(印刷中)
4)中塚幹也 : 性同一性障害と産婦人科 : ホルモン療法と生殖医療.性同一性障害の医療と法(南野千惠子,他 編.pp159─189,メディカ出版,2013
5)Nakatsuka M : Endocrine treatment of transsexuals : assessment of cardiovascular risk factors. Expert Rev Endocrinol Metab 5 : 319─322, 2010
6)中塚幹也 : 症候・病態別にみたホルモン療法 : 性同一性障害.会員研修ノート No.88「ホルモン療法のすべて」(日本産婦人科医会・研修委員会 編).pp34─37,日本産科婦人科医会,2011
7)松本洋輔,他 : 日本精神神経学会 性同一性障害に関する委員会 : 性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン(第4版).精神誌114 : 1250─1266, 2012
8)WPATH : Standard of Care ver.7,pp1─112,2011 Standard of Care第7版,日本語版(中塚幹也,他 監訳) http://www.wpath.org/site_page.cfm?pk_association_webpage_menu=1351&pk_association_webpage=5099(2016年1月)
9)中塚幹也 : 性同一性障害の診療(中) : 性同一性障害の治療の実際.月刊保団連1202 : 41─44,2016
10)中塚幹也 : 学校保健における性同一性障害 : 学校と医療との連携.週刊日本医事新報,No.4521,pp60─64,日本医事新報社,2010
11)中塚幹也,他 : 性同一性障害の説明と治療を希望する年齢に関する調査.母性衛生46 : 543─549, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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