臨床婦人科産科70巻7号

2016年07月発行

今月の臨床 胎児心拍数モニタリング　パーフェクトマスター 未来へのトピック

遠隔胎児監視システム構築のための胎児心拍陣痛テレメーター送信機の試作

著者： 竹内康人¹

所属機関： ¹香川大学瀬戸内圏研究センター

ページ範囲：P.641 - P.649

●胎児信号の発見，学術研究，医療応用開拓にはすでに110年に及ぶ万華鏡のごとき歴史がある．その中で臨床および自律動態胎児監視には全天候型万能選手であるドプラ法が覇権を制した．

●胎児心拍数計測と連続記録にはドプラ・自己相関法がデファクトスタンダードとして世界標準となり，その後の主戦場は院内からテレメトリーによる“いつでもどこでも”のモバイル監視へ移行した．

●モバイル胎児監視テレメトリーシステムは，伝送系が全デジタル化を経て汎用ネットワークシステム（Internet of Things）の中に吸収されつつあり，「おなかの上から全世界へ接続」の時代になるだろう．

参考文献

1）Cremer M : Uber die direkte Ableitung der Akonsstrome des menschelischen Herzens vom Oesphagus, und uber das Elektrokardiogramm des foetus（in German）. Munchener Medizinische Wochenscherift 53 : 811─813, 1906

2）Hon EH : The Instrumentation of fetal heart rate and fetal electrocardiography. 1. a fetal heart ratemeter. Conn Med 24 : 289─293, 1960

3）Fisher WM : Kardiotokographie. Thieme Georg Verlag, 1993

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5）坂元正一，他 : 産婦人科医療の進歩．産婦治療30 : 595─601, 1975

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9）Larsen JL, et al : An effective ECG telemetry system. HP Journal : p2─9, 1972　公開情報 : https://ia902303.us.archive.org/23/items/hp_journal_1972-04/hp_journal_1972-04.pdf

10）穂垣正暢，他 : 胎児信号のバイオテレメトリー．医用電子と生体工学18 : 519─525, 1980

11）電波産業会 : 特定小電力無線局医療用テレメーター用無線設備．ARIB Standard RCR─STD─21　第3.0版，2015

12）奥野修司 : ドキュメント皇孫誕生，緊迫の愛育病院医療チーム，赤坂御所から院長の携帯へ胎児データが．文芸春秋84 : 112─121, 2006

13）竹内康人 : 特集CTGテキストブック2012日本母体胎児医学会共同企画．モニタリングの原理．周産期医42 : 415─423, 2012

14）原　量宏 : 在宅CTGとCTG伝送システム．周産期医39 : 1016─1019, 2006

15）竹内康人 : 遠隔医療においてハッキング問題となり得るニセ生体信号およびその看破方法の可能性について．第50回日本生体医工学会大会演題番号ES1─3─1，2011年4月

16）竹内康人 : 遠隔医療においてハッキング問題となり得るニセ情報の発信企図およびその看破方法の可能性についての検討．第34回日本母体胎児医学会大会演題番号O4─2，2011年8月