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症例
子宮全摘16年後に肺,肝,骨転移をきたした子宮平滑筋肉腫の1例
著者: 山田新尚1 安見駿佑1 島岡竜一1 大塚かおり1 鈴木真理子1 佐藤泰昌1 横山康宏1 浅野文祐2 清水省吾3 岩田仁4 森美奈子5 古井達郎5 森重健一郎5
所属機関: 1岐阜県総合医療センター産婦人科 2岐阜県総合医療センター呼吸器内科 3岐阜県総合医療センター肝臓内科 4岐阜県総合医療センター病理センター 5岐阜大学産婦人科
ページ範囲:P.879 - P.883
文献購入ページに移動子宮平滑筋肉腫は子宮に発生する悪性腫瘍の1.3%を占める稀な疾患であり,標準治療は確立されておらず予後はきわめて不良である.今回私たちは子宮全摘16年後に肺,肝,骨転移をきたした子宮平滑筋肉腫の1例を経験した.
症例は64歳,女性,主訴は右胸痛.既往歴は1996年筋腫分娩のため子宮全摘術が行われ,病理診断はleiomyosarcomaであった.2012年右胸痛が出現,近医にて,胸部X線上全肺野に広がる粒状影を指摘され,当院呼吸器内科を紹介された.同科の画像診断にて原発性肝癌,肝内転移,多発肺転移の疑いと診断され,この後,消化器内科の肝生検にて子宮のleiomyosarcomaの転移と判明し,当科受診.他施設にて呼吸器インターベンション,ステント挿入,肝転移巣に対するラジオ波治療が行われた.この後,当院にて骨転移などに伴う疼痛に対し放射線照射が行われ,岐阜大学にてバゾパニブが投与されたが,2か月後に死亡した.初回治療後長期間を経て再発した子宮平滑筋肉腫につき,若干の文献的考察を加えて報告する.
参考文献
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